1、 2012年1月18日、元朝日新聞記者吉竹幸則さんから、著書「報道弾圧」が送られて来ました。私が元毎日新聞記者の西山太吉さんの国賠訴訟を担当して来た縁での献本です。
2、 「無駄な公共事業」の象徴とも云える「長良川河口堰」で建設省のウソを暴く証拠を握り、いよいよ報道に入ろうとする段階で朝日新聞によって不当な記事の差止めを受け、異議を唱えたことをキッカケに支局に左遷され、遂には記者職を外され、定年までブラブラ勤務に追いやられたのです。
吉竹さんは2008年1月に定年退職を迎え、2008年7月名古屋地裁へ人事・昇格・昇給に至るまで差別し、記者の職を奪った朝日新聞社に謝罪措置と損害賠償を求める訴訟を提起しました。1〜3審とも吉竹さんは司法記者としての長い経験を活かし、弁護士の監修を受けながら、弁護士の代理人を就けず、本人訴訟の道を選んだのでした。
ところが、一審、二審裁判所とも原告本人の尋問すら認めず結審して原告の請求を棄却し、2010年1月最高裁判所は上告棄却の決定をしたのです。
そして「報道弾圧」を出版するに至ったものです。
3、 (1)著書は第1部建設省の闇、第2部朝日の闇、第3部裁判所の闇に分かれ、第1部では建設省のウソに迫る吉竹さんの迫力に圧倒されます。
第2部朝日の闇では、ここまで朝日の内部が腐敗していたのかと驚愕させられます。名前の見当のつく上司・幹部もおりますが、実名報道であればより一層読者に与える衝撃度も増加したことでしょう。
第3部裁判所の闇では、吉竹さんは「裁判官のデッチ上げは未だ知らない人が多く、今日的問題と考えて、出版動機の一つ」としています。吉竹さんの裁判官認識には強い共感を覚えます。是非、生まの声を聴きたいものです。
著書は346頁に至る大作で、第2部は朝日新聞社という固有のメディアだけの問題に限定されないメディア全般的な広がりと深刻さを抱えていると思います。
4、 吉竹さんは「どんな会合にも出ていくことはやぶさかではありません」と云ってくれております。静岡市で吉竹さんを呼んで講演会・読書会を開きませんか。吉竹さんは名古屋市在住なので30人位の参加があればお呼び出来るのではないでしょうか。賛同頂ける方は当事務所はメール・FAX・Tel下さい。詳細は追ってご連絡します。
5、 調査報道で実績を積まれた吉竹さんは64歳で、未だ未だ老け込む年齢ではありません。私としては今後もジャーナリストとして大活躍して頂きたいと思いますので、是非早い段階で企画を実現したいと思っております。 |